FEATURE ・ 2026年8月特集

天然氷のかき氷

Kakigori Made with Natural Ice

かき氷は氷が九割、と言われます。冬の池に湧き水を張り、木の葉を掬いながら2週間かけて育てる「天然氷」。作れる蔵元は全国でもわずか数軒しかありません。

ゆっくり凍った氷は結晶が大きく、薄く削っても溶けにくい。頭が痛くならないのはそのためです。蔵元をたずねる旅から、東京で並ぶ一杯まで。この夏の涼を地図にしました。

5枚の地図

かき氷の来歴は関西から始まっています

奈良の氷室神社は、平城京の時代に山の氷室で切り出した氷を都へ献じた社で、いまも夏には氷が供えられます。その奈良は四十軒を超える店がしのぎを削る氷の街になり、京都では百年続く京菓子屋が名水と同じ井戸水から自ら氷を作り、大阪では氷屋と果物屋がそれぞれの本業の腕で氷を削っています。同じかき氷でも、街ごとに寄って立つものが違う。奈良から京都、そして大阪へ、西へ下る順に並べました。

かき氷は氷が九割、とよく言われます

鎌倉・湘南には、日光の氷室から届く天然氷を一年中削り続ける専門店があり、小町通りには鳩サブレーの豊島屋や昭和二十年代創業の志るこ店といった甘味処が並び、江ノ電の線路際には縁側で氷を食べられる古民家があります。鎌倉駅から由比ヶ浜、長谷、江ノ島、鵠沼海岸へ。海に向かって西へ進むほど、氷は観光地のものから土地のものに変わっていきます。一日で辿れるかき氷の道を、東から順に並べました。

かき氷は「氷が九割」と言われます

日光や八ヶ岳、富士山麓の蔵で冬にゆっくり凍らせた天然氷は、薄く削っても溶けにくく、頭にキーンと来ない。東京にはその天然氷を仕入れる店と、時間をかけて凍らせた純氷を自ら削る店、そして和菓子職人やパティシエが腕を競う創作系がそろっています。行列必至の名店から深夜営業、老舗の甘味処まで、夏に並ぶ価値のある一杯を地図にしました。

機械で凍らせない氷がある

冬の池に湧き水を張り、木の葉を掬いながら2週間かけて育てる「天然氷」だ。作れる蔵元は全国でもわずか数軒。日光に三軒(四代目徳次郎・松月氷室・三ツ星氷室)、秩父に一軒(阿左美冷蔵)、そして軽井沢や八ヶ岳。ゆっくり凍った氷は結晶が大きく、薄く削っても溶けにくい。頭が痛くならないのはそのため。蔵元の直営店と、その氷が食べられる店をたどる夏の地図です。

日本に5軒しかない天然氷の蔵元のうち、3軒が日光にある。四代目徳次郎、松月氷室、三ツ星氷室。冬の池に清らかな水を張り、2週間かけて育てた氷は、削っても溶けにくく、頭にキーンと来ない。この地図では、その三大氷室の氷を出す店を駅前から奥日光・鬼怒川まで集めました。どの店がどの蔵元の氷を使っているかも添えてあります。夏の日光は、氷を目当てに歩くのが正解。